だんごママの介護日記

老人ホームの毎日

下の世話になりたくないおばあちゃんの最期

こんにちは。だんごママです。

 

このブログでは、老人ホームで働く超アラフォーだんごママが記す介護日記です。

早いもので働いてから1年が経ちました。

その短いうちに5人のおばあちゃんが最期を迎えました。

今日はそのうちの一人「下の世話になりたくないおばあちゃんの最期」を記します。

 

このおばあちゃんは、車いすに乗りいつも自走されて、色々場所へ出向き、

昔のことをよく語ってくれました。

 

・字の書けない友達の恋文を書いてあげたり、

・夫と初めてのパチンコでラッキーガールになったり、

・昔はモテてよくナンパされたり、

・下の世話にはなりたくねぇな、と呟いたり

 

よく笑い、たびたび泣く92歳のおばあちゃんです。

 

<恋文を書かされた>

92歳のおばあちゃん。昔は皆が字をかける時代ではありませんでした。

この92歳おばあちゃんは、友達に「恋文」を書くようお願いされ、男の人に渡す役まで引き受けてたようです。

 

「恋文を書かされたんだ」と嬉しそうによく話してくださりました。

 

<パチンコに連れ出される>

92歳のおばあちゃん。親指を立てて「これ(夫)によく連れてかれた」とパチンコの話もしてくだりました。今は親指の存在である旦那様は先に天国に行かれています。

居室の棚に旦那様の写真が飾ってあり、その写真を見るたびに「つるっぱげで全然かっこよくねぇんだ(笑)」とよく思い出されていました。

 

<ナンパされた過去>

「昔は可愛かったからよくナンパされたんだ」と談笑されていました。この92歳おばあちゃん、写真を撮ろうとカメラを向けると、本当に素敵な笑顔を作られて写真撮影に挑んでくださります。写真写りもお綺麗で、ステキなおばあちゃんなんです。

 

<下の世話になりたくない>

このおばあちゃん、ベッドに移ったりトイレに行かれるのも全部一人でできました。

車いすの移動中に、職員に抱えられてベッドへ横になるおばあちゃんを見かけると、よく「ああは、なりたくねぇな」と言っていました。結構、現実をしっかり捉えられているおばあちゃんです。

 

 

この92歳おばあちゃん、急に「家に帰りたい」と言い出しました。

喜怒哀楽があるおばあちゃんですが、「家に帰りたい」とは口に出すのを聞いたことがなかったので、驚きました。

 

そして、このおばあちゃんよりずっと若いおばあちゃんに

 

「皆帰りたくても帰れないの!」と叱られてしまいました。

 

しょんぼりとするおばあちゃん。「元気出して」と励ましますが哀しみは深いようでした。それから数日後、ベッド上で、呼吸が苦しくなり喘鳴が聞こえ始め、胸がいたいと訴えたので、ナースを呼び待っている間声掛けを続けていると、

 

「娘のように思ってる。」と声を絞り、涙を浮かべておっしゃりました。

 

その後、すぐに病院に行き診察後、肝不全と診断され入院となりました。

明るい92歳おばあちゃんが老人ホームへ戻ってきてくれると信じていましたが、

1週間の入院後お亡くなりになりました。

 

入院中は、息子やお嫁さんとたくさん話をして過ごせたようです。

 

下の世話をかけることなく、老人ホームからいなくなった92歳おばあちゃん。

奥歯の銀歯をぎらつかせて笑うおばあちゃんの笑顔が忘れられません。

 

やはり、亡くなる前は家のことをふと思い出すのでしょうか。。

天国に旦那様と仲良くパチンコ話でもしているはずです!!(悲)

100歳おばあちゃんの最期

100歳のおばあちゃんは、大正10年(1921年)生まれ。

 

普段はベッドで横になって過ごすことの多いおばあちゃん。

だんごママ、この老人ホームに来た時驚きました。

 

・身だしなみを整える!

車いすで自走できる!

・塩をかけてご飯を食べる!

 

生活していくには普通のことですが、100歳のおばあちゃんにとっては大変なことなのです。90代ともなると、皆さん認知症がすすみつつあり、このおばあちゃんのように自ら身だしなみを整える方はあまりいません。

 

<身だしなみを整える>

ベッドから車いすへの移乗は、介護士が全部お手伝いします。

その後、お気に入りのヒョウ柄のひざ掛けと、ニット帽に塩のビンを忍ばせ足元へ。

鏡台の前に移動すると、

 

整髪剤ケープで髪を整えます!

 

顔がとっても小さくて笑顔の素敵なおばあちゃん。

整えることは整えるけど、髪型が決まらず気に食わないと自分の頭をポンポン!

苦い顔をして自虐します(笑)

でもずっと続けてきた習慣なんだなと思うと微笑ましくその様子を見つめます。

 

 

車いすで自走>

居室から食堂までの距離は10mくらいでしょうか。

せっせと車いすで移動します。

「おばあちゃんなんだから、手伝ってあげたら?」

って思いますよね。

 

でも、それぞれおじいちゃんおばあちゃん達には、短期目標と長期目標を立てて生活しているんです!

入った当初は気づきませんでしたが、「情報収集し課題を見つけ、目標を立てて、それを観察・評価する」という介護過程というものが、利用者一人一人にあるのです。

 

この100歳おばあちゃんは、この自走も短期目標!手伝ったら、おばあちゃんのためになりません!

 

<塩をかけてご飯を食べる>

100歳おばあちゃんは、MY塩ビンを持っています。

毎食、この塩をご飯やおかずにかけて食べます。

 

「塩のかけすぎでは?」という心配もありますが、ご家族の方によると

「残りの人生自由に好きなものを食べてほしい。濃い味つけが大好きだからもう制限しないで良いです」とのことなんです。

 

よく見ていないと、バナナにもかけちゃうので注意です!(笑)

 

 

 

こんな感じの愉快なおばあちゃん、101歳になった令和4年〇月に亡くなりました。

誕生月の前後で亡くなる方多いんですって。

 

だんだん、食べる食事量が減ってきて・・・

大好きな塩もかけなくなり・・・

自走もほとんどできなくなり・・・

ベッドに横になりながら、深く苦しそうな呼吸をして

 

救急搬送され、1週間の入院後、ご家族に見守られる中で亡くなったそうです。

 

救急搬送される前、ふと口にしていた言葉があります。

「私の家は大丈夫?」

 

コロナ禍で面会も玄関のガラス越し。外出もできない。

そんなおじいちゃんおばあちゃんが沢山います。

 

入院中も、せがれと色々お話できたでしょうか。

 

 

 

だんごママ、実務者研修の資格を取るため講習に通っています!

情報収集や短期目標、長期目標などのことも視野に入れて、

老人ホームとはどんな所か紹介したいと思います。

無資格未経験からはじめた介護

こんにちは!

3人の男の子のママをしていますだんご3兄弟ママです。

 

だんごママは1年前に無資格未経験から介護の仕事をはじめました。

 

<老人ホームってどんなところ?>

だんごママが働く場所は、特別養護老人ホームです。

12の大きな部屋があって、その部屋ごとに12個室と食堂や事務スペース、風呂場がついています。

 

簡単に言うと

100人以上のおじいちゃんおばあちゃんたちがこのホームで暮らしています!

 

無資格未経験からはじめたため、老人ホームってどんなところか・・・と聞かれると、高齢者が暮らす施設としか思っていませんでした。

 

 

<はじめる前に聞かされた話が「3K」 実際は?>

3Lとは「きつい・汚い・危険」

だんごママにとっては、3Kではありませんでした。

体力的には大変ですが、オムツ交換や子供の世話をしてきたママにとっては、

あまり当てはまりません。それ以上に楽しいことがあるから・・・それは?

 

<老人ホームで働くということ>

・おばあちゃんおじいちゃんたちに癒される

・談笑が楽しい

・人間観察

・スタッフは同志!(介護の神がいる!)

 

でしょうか。これからこのブログで紹介していきたいと思います。

 

また、色々なおじいちゃん、おばあちゃんがいる老人ホーム。

私が勤めてから1年余りですが、5人のおばあちゃんが息を引き取りました。

 

老人ホームで暮らすおばあちゃんたちの日常や、最後の日々なども

書いていきたいと思います!

 

超々高齢化社会です!介護を控える方々や、いずれは高齢者になる若者たちにも老人ホームを知ってもらいたい!と思っています。